話し合いの日【2】
午後20時、ファミレス。
大阪まで来ました、妻のあきさん。
全員、東日本エリア出身なので、
関西弁は出てきません。
何度も申し上げておきますが、
あき(奧さん)以外、全員グルで口裏合わせ済みです。
俊「今日は皆さん集まってくださって…スミマセン。おとといの事で、妻がどういうことなのか、とちょっとパニックになっていまして。」
ユウヤ(俊の上司)「いやいやいや!本当にあり得ないですよ!あきさん!いやお酒のせいにしてはいけないんですけどね、ホラ!!」
(ケンタを小突く)
ケンタ(俊の同僚)「スミマセン……。」
あき「何なんだったんですか!?」(ちょっと語気が強くなる)
ケンタ「……………………。」(セリフ忘れた?)
ユウヤ「いやね、あれだろ?勝手にお前が送ったんだろ?ふざけて。メール。」
ケンタ「はい。スミマセン。」
あき「…でも何かちょっとおかしくないですか?メールを打ったのは誰なんですか?」
ケンタ「僕です。」
あき「でも何でその、雪子さんを出すんですか!?わざわざ雪子さんの携帯まで入れます!?普通!!ちょっと信じられないんですけど!」
ケンタ「…………。」
ユウヤ「ほらな、お前いつも言ってるだろ?羽目外し過ぎるから気を付けろって。全く…。」
あき「てことは、ケンタさんがわざわざ雪子さんの名前を使って、メールを打ったんですよね?ナゼですか?!」
ケンタ「それは…………。」
あき「ケンタさんは雪子さんの携帯番号、暗記してるんですか?」
ケンタ「えっと……、」
雪子「携帯番号は私が入れました。スミマセン。」
あき「一体どういう事なんですか!!」
(語気が更に強まる)
雪子「俊さんがトイレに行ってる時に、何かふざけてやってるなーっていうのは見てたんです。酔っててあまり覚えてないんですけど…。」
あき「お酒に酔ったからって!!お客さんにそんな事して良いんですか!?」(怒鳴る)
雪子「スミマセン。」
あき「あなた経営者でしょう!?酔ってたからじゃ済みませんよ!!!」
俊「あ、でも雪子さんも皆もこうして謝ってるんで……」
ーこの間、あきさんから私への質問責めー
何となくのらりくらりと答えながら謝り倒す。
あき「2度と送らないでください!!」
一同「はい、申し訳ありませんでした。」
俊「では、解散でよろしいでしょうか」
あき「フン!!何かあればまた連絡しますから!!」(立ち上がって出ていく)
俊、皆に目くばせしてあきさんの後を追う。
残された私達は安堵のため息をついて
無言のまま寛ぎ出した。
私には、何だか嫌ーな感情が沸き上がってきた。
自己嫌悪です。
これって、ものスゴく卑怯だよね。
最低だよね。
俊も最低だよね。何も悪さをしていない奧さん囲んで、まるで敵みたいに。
皆最悪じゃんね。うわー嫌だ。
ケンタ、ユウヤさんも同じ感情だったかもしれない。全員あらぬ方を見て無言だった。
奧さん、要点まとまってなかったな。
何が何だか分からなくなってイッパイイッパイて感じだった。何も悪くないのに。
俊とあきさんは、しばらく外で何か話していたけど、あきさんをタクシーに乗せて帰し、
私達の所に戻ってきた。