常に誰かと比較されてる事を忘れない

奥、比較されてるって

本っ当にわかってないんだなぁ。

危機感持たないと

本当にまずいと思うよ？

私の所に来て俊、

どんな朝食をとっていたと思う？

高級老舗旅館並みに

豪華で完璧な和食、

栄養バランスを考えた

丁寧な朝食よ？

焼き魚、煮物、お浸し、自家製のお漬物、

酢の物、五穀ご飯にお味噌汁。

お昼ごはん用に何か欲しいと言われれば、

お握りやサンドイッチを

パパっと作って持たせてた。

労いの小さなメッセージカードを添えてね。

夏は暑い車の中で溶けても

美味しく飲めるように

冷凍したペットボトル飲料を渡してた。

今、朝食は毎日

菓子パンだっていうじゃない。

愕然としたわ。

酷いにも程がある。

夜はコンビニだって。

そりゃ、私の家に入り浸るよね。

部屋は広くて綺麗に整ってて、

清潔なシーツ、ふかふかのお布団、

天蓋付きでゆったり、

お姫様みたいなダブルベッド。

小腹が減ったと言えば

市販のものではなく、

じゃがいもをスライスして

サッとポテトチップスを揚げたり、

そうめんを茹でたり、

海苔巻きを作ったり、

パンケーキを焼いたり。

「はいよっ」って市販のスナック菓子を出した事は1度も無いわ。

お腹も心も満たされていたと思う。

「わがまま言っていい？」って言うから、

いいよ？なぁに？って聞いたら

「雪子のご飯は本当に美味しくて大好きだ。いつも楽しみで。」

「しばらくは雪子の家にまでは行けないけど、

また、雪子の作る料理が食べたい。

お弁当が食べたい。」

また、ピクニックでお弁当デートしよう。

奥にどんどん差を付けて行くわ。

これだと確実に、

俊は私に傾倒し続けていく。

それに、セックス面でも

奥に限らず誰よりも圧勝する自信があるわ。

実のところ、

究極、離れられない理由は

ここが大きいと思うのね。

俗にいう「名器」だとか、

「今までセックスしてきた中で3本指に入る」

なんて

交際したほぼ全ての男性から言われてきた。

俊も、「雪子さ、付き合った彼氏に、名器って言われた事ない？」

「中々別れてくれなくない？」

って言ってた。

これは体質だから、

特に努力もしてないんだけどね。

あとは色白でスベスベのもち肌、

小柄で華奢な体型も

小さい顔、細くてサラサラの髪、

38歳で通用すると言われ

親に感謝、

自画自賛してる。

不倫の苦しみから逃避するためにもね。