不倫の上に二股が発覚③問答
俊「雪子は、初めて心から安らぎを感じれる人なんだよ。」
私「もう無理。奥さんはもう仕方ないわ。でも、今回のはもう無理。本当に無理。つい最近、他の女性の影を感じた時に聞いたら『雪子だけ』って言ってたじゃない。」
俊「ごめん。本当にごめん。」
私「そんなの要らない。もう無理。終わり。」
俊「お願いだよ。話し合いをさせてよ。」
私「話し合い?必要無いよ。私はもう何も話す事は無いわ。」
俊「まだ終わってないよ。」
私「それにね、こんな交際、いつかは終わりにしないといけないって思ってたの。ちょうど良かった。」
俊「待ってよ。お願いだよ。サナとは落ち着いたら別れるよ必ずね。」
私「別れるわけないじゃん。あなたの性格からして。それに、サナはこの先、落ち着く事は無いわよ。あなたを引き止めるために、鬱だのパニックだの言って気を引こうとするわよ。あなたはそれを断ち切れない。」
俊「彼女は両親からの愛を充分に受けてなくて、過去に精神を患っていた事もあって、話を聞いたりしてあげてたんだよ。子宮頸癌の事を両親に話しても無反応だった、ってかなり落ち込んでたから。病院にも、付添人として行ってただけなんだよ。」
私「ふーん、すごいね付添人て!前の晩から寝泊まりして、抱き締めたりキスしたりまでするんだ!」
俊「ごめん。」
私「両親の愛を受けていない?!だから病む!?そんな人この世の中山ほど居るわよ!それでも歯を喰い縛って立ち上がってる人なんてたくさん居るの!病んだ原因を、人のせい、親のせい、社会のせいにするな!甘ったれんな!って話よ!」
「それにね、両親が無反応って、そもそも、その病気の事だけに無反応だったんじゃなくて、元々何でも他責にして鬱だのパニックだの被害者ぶる、その存在に無反応だったんだと思われるわね。」
俊「雪子の言う事は正論だよ。でも、付き合った以上、どうしても放っておけなかったんだよ。」
私「サナって、何歳?」
俊「1つ下。」
私「はいウソですね。本当は何歳?」
俊「………40歳。」
え。本当にウソついてたのか笑。
私「ねぇねぇ笑。この期に及んでそうやってウソをつくって、あなたは息を吐くようにウソをつく。」
俊「…ごめん。」
私「ただ、あなたがどうして、そんなウソばかりつかなければならないのか私、ずっと心理分析してたのよ。」
俊「心理分析?」
私「教えてあげましょうか。あなたは人助けしているつもりでしょうけど、本当に助けが必要なのはあなた自身なの!酷く病んでて、助けが必要なのはあなたなのよ!」
俊「そうかも知れない。だから雪子に助けてほしくてすがり付いてるのかも知れない。」
私「あなたが自分と向き合わず、いえ向き合えず、自分の中にある弱さや苦しさを認められないから、その認めたくない自分の姿をサナに投影して、自分を慰めてるのよ。あなたが認めたくない自分の本来の姿を、サナに重ねて見ているの。共依存なのよ。」
俊「確かに…そうかも知れない。俺はいつもポッカリ心に穴が空いていて、誰にも埋めてもらえない。だから、自分で埋めるしかなくて、色んな人と付き合ったりしてきてるけど、埋まらない。」
私「誰かに埋めてもらおうとしたって埋まるわけ無いわよ。埋めるのは自分しかいないよ。自分を認めてあげる事なのよ。弱さを認めて許してあげなきゃ。」