50歳独身女と32歳既婚男の不倫日記

既婚者と知らずにお店のお客さんとお付き合い。既婚者と発覚してからも別れられず現在に至ります。

「結婚は無い」とハッキリ言われた

口の上手い俊はいつも、

「いずれは二人に光が見えてくるかも知れない」

「今の今は出来ないけど、雪子と一緒になれたならなぁって思う」

なんて曖昧に二人の未来をほのめかして、
それに翻弄され、
俊と結ばれること、
俊と同じ名字を名乗れる日を夢見てた。

寂しさや悲しさを閉じ込めてきた毎日。
込み上げる嫉妬や怒り、
希望と絶望の脳内ジェットコースター。

疲れるよ。正直。

冷静に考えたら、この男はダメだってわかってる。本質的には自己肯定の低い私は、
ダメ男に弱い。

「私ってこんなにスゴい!!」
って常に自我自賛してるのは、
低い自己肯定感に押し潰されそうな不安を
必死に掻き消すため。
わかってる。

あれほど優柔不断で、
断定的な言葉を使わない俊が、

「結婚は無い。」

「無いよ。」

とハッキリと、しかも2回言ったことは、
私にとって大きなショックとともに、
大きな解放感をもたらしてくれた。

やっと別れられる。

やっと、不倫を終わらせることが出来る。

これで、次に進める。

私は俊にとって、
この上なく都合の良い存在だから、
中々俊は別れてくれなかった。
愛の言葉を強く示されると、
またズルズルと戻ってしまっていた。

そしてまた影で隠れて待つだけの、
他の女性の存在を許容して共有するという
拷問みたいな毎日に身も心も疲弊していた。

俊がつい最近言ってた。
「嫁は、本当にもう義務感しかないんだ。
雪子が居なかったら、俺には多額の借金と、懲戒解雇されて就活中という状況、それしか無いんだ。雪子が俺にとって一番のオアシスで、今は生き甲斐ですらあるんだ。雪子を愛してるんだ。」

私「子供が居るなら別だけどさ。嫁に対してそんな義務感、必要?嫁はあなたに対して嫁としての義務を果たしてくれてるの?何もしてないじゃん。」

俊「これは俺の性格の問題なんだ。相手を好きとかそんなんじゃなくて、義務を果たすっていうのは、そうしないと俺の気が済まないんだよ。」

私「かっこいいこと言ってるけどさ、それ、ただの執着と未練じゃない?」

俊「そう言ったらそうかも知れないんだけどさ。とにかく、結婚してしまった事に後悔はしたけれど、でも例えれば片腕がもげてでも、義務だけは果たす。ってことなんだと思う。」

私「へー、その片腕もげてでもの義務とやらは嫁に対してだけじゃん。会社への義務は全然果たして無かったじゃん。一番に優先すべき親への義務も、実子として果たしてないじゃん。認知症に悩む母親放置して、介護に疲弊する兄の手助けも何もしてないじゃん。自分の意識の向く方向にだけ義務を果たすっていうのは、それは義務を果す対象を故意に選別しるのよ。都合良くね。素直に言ったら?嫁を愛してるって。そしたらもっと私も楽になれるんだけど。」

俊「嫁を愛してはないんだよ。でも、結婚して嫁の10年間を俺が奪ってしまっていたこと、今さら放り出すわけにはいかないって思ってしまうんだ。でも嫁から離婚と言われれば、すぐにでも判子を押すと思う。」

私「へー。私が居なかったら嫁への義務だけな生活って言うけどさ。それが結婚生活なんじゃないの?それをどう刺激を加えようとか、倦怠期を乗り越えようとか、逃げずに向き合って克服していくのが夫婦なんじゃないの?そんなの夫婦間で完結してく問題でしょ。逃げて周りを巻き込まないでよ。」
「覚悟あっての結婚でしょ。」

俊「覚悟なんて無かったよ。若気のいたりってやつだよ。嫁も嫁の周りにも当時は結婚を急かされたし。嫌いでもないからいっか。って」

私「いえいえ、それだけ慎重で、物事の決断を避けるあなたが、結婚という一大事を、そんな周囲の流れで覚悟も無く決断するわけがない。遠慮しなくていいのよ。一生寄り添うって決めたんだ、生涯の伴侶として彼女を選んだって言えばいいじゃん。」

俊「違うよ」

私「まぁ、いいわ。いずれにしろ、言葉では何と言ったって、行動が全てだから。あなたは、私とは生涯寄り添いたいという感情、絶対に誰にも取られたくないっていう独占欲はわかないってことなのよ。それでいい。お幸せに。」

電話を切ってそれから、
昨日また俊から連絡がありました。