捜査がスタート【お気楽な俊】
私の予想以上に、大きな事件みたい。
私の知らない俊の裏側がもっともっとあったようです。
監査による捜査1日目、
俊は会社をみくびっていた。
「ほんのちょっとの出来心で。魔が差しただけです~」
で済むと思っていたらしい。
前日に上司から、
上司「本当にこの一件だけか?」
俊「はい。」
上司「これ以上は本当に何も無いのか?」
俊「ありません。」
上司「ここからはもう、俺にはカバー出来ないぞ。」
という会話があったらしい。
ここで俊は気付くべきだった。
既に捜査は深く進んでいるこを。
せめて、上司には全てを洗いざらい話すべきだった。どの道遅いけど。
10年間お世話になった上司はせめて、
最後の最後まで裏切らないで欲しかった。
上司も無念だったことだろう。
私は、「それってさ、多分もう全部上がってる上での最終確認なんじゃない?」
と俊に言った。
「それは無いよ~。」と楽天的な俊。
その詰めの甘さ、人の軽視、
罪へのハードルの低さ、罪悪感の欠如が、
俊の犯罪と不倫を増長させてきた。
昨日まで信じてた部下に裏切り続けられ、
最後の最後まで裏切られた上司の無念さを思うと切ない。
俊は、「いや~、大丈夫と思うんだよね。色々小細工して言い訳も考えたし。どっちかって言うと俺寄り?みたいな。」
「まぁ、上手くごまかしてさ、早く落ち着いて雪子に会いたいよ!」
この後、出勤した俊は長期にわたるであろう、地獄を見ることになる。